平成30年6月8日~9日に函館にて第49回北海道作業療法学会が開催されました。
当院の作業療法士の林弘樹が、北海道文教大学人間科学部作業療法学科准教授の金子翔拓(当院非常勤作業療法士)の金子研究室在籍時に行った研究について発表してきました。
演題名は「STEFを用いた性差および左右差におけるMental Chronometryの検討」で、Mental Chronometry(以下MC)とは、動作遂行を心的にイメージさせ、その時間を計測する簡便な手法であり、歩行や書字動作で実際の運動遂行時間との一致性が報告されております。近年、高齢者において、若年者と比較して時間的不一致が報告されており、この時間的不一致は身体の誤認識と解釈でき、転倒との関連性も報告されています。しかしながら、若年者における左右差や性差における時間的一致を検討した研究は少なく、このことについての研究の一部を報告しました。
整形外科病院に受診される患者様においても、痛みなど様々な要因から、この心的時間と実際の運動実行の時間的不一致が推測され、このことが運動や活動のしにくさ、疼痛の増悪とも関連することが予想されるため、更なる検討および臨床での応用が期待されます。
作業療法士 林弘樹